組織論(2)

 「組織」を「人類」に置き換えて考えてみたらどうなるか?人類以外の組織を想像できるか?過去の地球を振り返って見ればよい。大いに栄え、この地球を我が物顔で闊歩していた生物群は無数にある。
 現在の地球上で栄えている種は、ヒトという動物である。ヒトは、過去の生物の遺産や、現存する他の生物を消費することによって組織を拡大させている。「地球の環境を考えよう」というスローガンも、結局はヒトという生物の質が低下していることを示している。地球が危ない、地球に優しい生活をしよう、とんでもない。地球は、ヒトの営みなどに脅かされることはないし、またヒトが何をしようと全く痛くも痒くもない。地球は危なくないし、地球は優しくされることを望んではいない。地球はただ淡々と存在するだけである。危ないのはヒトである、優しくしなければならないのはヒトに対してである。
 ヒトという動物が拡大させて来た地球という小さな星に在る組織も、結局は崩壊するか、分裂する。崩壊は想像がつくが、ヒトという動物組織が分裂することがあるのか、答えは簡単である。ヒトという動物の組織ははじめから分裂している。分裂を繰り返し続けているということに気がつくはずである。