組織論(3)

 ヒトも恐竜も地球上で一時栄えた生物種にすぎない、と言われる時が来る。しかしヒトは初めておのれを「人間」であると認識した最初の生物である。人間が持つ好奇心にだけは注目しなければならない。これまで地球上で生まれ、滅んでいった生物たちの中で初めて、自分とそうでないものがあるのを理解した。そして、それは自分たちが存在する宇宙というものを意識させた。人間をして、宇宙を覗きこませた意識とはなにか?自分を自分であると認識させた意識とはなにか?
 意識というものを特別視し、なぜヒトという動物にそれが宿ったのかの理由を外に求めるとき、その存在はおそらく宇宙以外の場所からこの宇宙を覗き込んでいるなにかであろう。その存在は、なぜ人間に意識を与え、地球上でこれを生かし続けているのか?人間が持つ意識というものが、誰かから与えられたものであると仮定したとき、それを与えたものをここで仮に「神」と呼んでみよう。