震災 −そのに2−

外へ飛び出した。
天が見えるというのは素晴らしい事だ。
気持ちが一気に落ち着いて行く。周りには仲間もいる。「すごかったね」「こんなの初めてだね」過去形の言葉が皆から出る。
そして数分後、再び大きな揺れが起こる。今度は建物からガラスの割れる音が響く。ただ事ではない事が始めて身にしみてくる。
周りを見渡せば、アパートの屋根瓦が堕ちているのが見える。JRの電車が、そばに停車しているのが見える。携帯電話は全てビジーになってどことも連絡はとれない。
従業員全てが外へ飛び出してくる。部長が招集される。点呼の確認の声が響く。正門のTV画像から津波の速報が見える。そして余震は続く。家族の安否が、やっと頭に浮かぶ。それが後ろめたく思える。
揺れは頻々と続く。かなんり大きな余震が立て続けに起こる。それは長い長い間続く。