震災 −その3−

会社で、仕事を切り上げ解散が決まったちょうどそのとき、妻が会社の正門に来ているという連絡を受けた。聞けば、車でこちらに来ていたので、私を拾って帰ろうとしたとのこと。
車を止めていた駐車場が港の近くで、地震後、それを採りに行ったという。怒鳴りつけたね。それは絶対にやってはいけないことだった。幸運にも津波が来たのが十分くらい遅かったというそれだけの僥倖である。
帰り道、ブロック塀があちこちで崩落。橋にさしかかるたび大きな段差があって怖い。なんとかたどり着いた家では、これまた幸いなことに家屋の損壊はなく、お袋も無事だった。
家の中は、ガラス食器の割れたかけらだらけ、二階では、テレビがひっくり帰り、本は崩れ落ち、非常に重い本棚が45度くらいずれている。部屋はがちゃがちゃだ。