荷電粒子と磁石の話

今回は物理の話、気楽なコラムと思ってください。

ジェームズ・C・マックスウェル(1831〜1879)という人が電気と磁気を研究して最終的に得た結論は四つの微分方程式になります。突然こんな話を始めると逃げ出す人がいると思われるので慌てて私はこういいます。でも、このブログで、方程式を書くようなやぼなことはしません。充分言葉で表現できて、なんてことはない、当たり前の話です。

   (1)磁場には源がない
   (2)磁場の時間変化は電場を発生させる
   (3)電場の源は電荷である
   (4)電場の時間変化、または電流は磁場を発生させる

とういのが方程式になっていると思えばいいです。それでも、よくわからない人は、次のことを思い出してください。

   (1)磁石は切っても切っても、その両端にN極とS極が現れる
   (2)自転車についている発電機は、磁石を回して電流を発生させている
   (3)電流とは、電子の流れである
   (4)鉄の棒にまいたコイルに電流を流すと、鉄の棒は磁石になる

これは多分小学校でやった実験です。(そうですよね)

どういうわけか、電気と磁気はきれいな対称になっていないのです。
電気のプラス、マイナスは単独で取り出すことが可能です。ただし、人間の手で、電気を取り出せるわけではありません。物質を細かく分けていったら、物質は究極のマイナス粒子(電子)と究極のプラス粒子(陽子)からできているということです。ちなみに一個の陽子の周りを一個の電子が回っているものが、水素原子です。
そして、電子の流れを、電流と呼んでいるわけです。

ところが、磁石のN極だけ、S極だけというものは、多分聞いたこともないはず。それで、磁場には源がない、という表現をします。磁気というのは、N極とS極が必ずペアで現れます(これを磁気双極子といいます)。だから、磁流というものもありません。なぜこういうことになるかというと、電子一個、陽子一個が、既に磁石になってるんです。(これを素粒子のスピンといいます。)
だから、物質に単独のN極、S極がないのです。だって究極の粒子が既に磁石なんだもの。

ただし、詳しい話はしませんが、「磁気単極子モノポール)」というものが考えられていまして、もし発見されたら、ノーベル賞確実と言われています。2002年ノーベル賞受賞の小柴先生で有名になった「スーパー・カミオカンデ」でも、モノポール探しを1980年代にやったそうです。

モノポールはまだ見つかっていません。誰か挑戦してみませんか?